カメラ用語

あ行

  • アイリス 照度変化に合わせてレンズに取り込む光の量を調節する絞りのこと。F値で表し数値が小さいほどレンズの入射光量が多い。明るさが一定の場合には手動絞り(マニュアルアイリス)レンズを使用し、明るさが時間帯によって変るような場合には自動絞り(オートアイリス)レンズを使用する。
  • 暗視カメラ 特に暗い場所を監視するカメラ。超高感度式と赤外線照明式がある。
  • ITV(Industrial television) 工業用テレビジョン。 ダム監視、発電所、製鉄所などの工業用監視カメラとして使用しているビデオカメラシステムのこと。防犯用の監視カメラもITVと言う場合ある。
  • NTSC方式 日本、アメリカ、カナダ、韓国などを中心に広く採用されている世界の三大テレビジョン方式の一つ。日本の監視カメラの主要規格はNTSC方式に統一されている。ちなみに、あと二つの方式はPAL方式(イギリスを中心に西ヨーロッパ諸国)と SECAM方式(フランス、ロシア、東ヨーロッパ諸国)がある。
    【NTSC方式の規格】
    ・走査線数 : 525本
    ・撮像数 : 30枚/秒
    ・フィールド周波数 : 60Hz
    ・飛び越し走査 : 2:1
    ・縦横比 : 3:4
    ・映像周波数帯域 : 4.2MHz
    ・音声周波数帯域 : 6MHz
  • オートアイリス 被写体の明るさにしたがってレンズの絞り(アイリス、前述)を自動で絞る機構のこと。CCDを使ったカメラではCCDに当たる光量からでなく、映像信号のピークや平均値を使い、その情報で絞りをコントロールしている。
  • オートホワイトバランス 撮影対象の光の状況を自動的にカメラ内蔵の画像処理プロセッサが自動的に判断し、適正な色状態を再現する機能。
  • オートフォーカス 焦点(フォーカス、あるいはピント)を自動的に合わせる機構のこと。
  • AGC(オートマチック・ゲイン・コントロール) 規定をオーバーした強いレベルの信号が入力してきた時はゲインを制御して信号飽和を防ぎ、弱い信号の場合には規定のレベルまで上げて一定のレベルを保つ自動利得調整のこと。

か行

  • 解像度 カメラ、モニターなどでどの位細かいものまで見ることができるかを表す数値のこと。 白黒の細かいパターンを流し、その数が何本見えるかで表す。 本数が多いほど解像度は高くなっている。水平解像度と垂直解像度があり、水平解像度でカメラ、モニターなどの解像度のレベルを知る目安になる。
  • 画素 画像を形成する最小の単位で、画像は明暗が細かい色の点(ドット)の配列によって形成されている。画素数の多いほど解像度の高い映像を得ることができる。
  • ガンマ補正 画像などの色のデータと、それが実際に出力される際の信号の相対関係を調節して、より自然に近い表示を得るための補正操作。γ(ガンマ)値とは、画像の明るさの変化に対する電圧換算値の変化の比で、 これが1に近づくのが理想だが、素子の特性により機器によってそれぞれ異なった値となる。このため、元データに忠実な表示を再現したければ、これらの誤差を修正する必要がある。これがガンマ補正である。
  • 輝度 平面状の光源がある方向に単位立体角あたりに放射する光の光源における単位面積あたりの明るさのこと。単位はカンデラ毎平方メートル(cd/m2)
  • 逆光補正 逆光の状態でも適正露出で撮影できるように補正すること。 背景が明るい逆光状態にある被写体では、カメラの露出は明るい方に合って、 肝心の被写体は暗くなってしまう。監視カメラを設置する際、逆光状態になる時がある場合には、逆光補正機能を搭載したカメラの使用が必要。
  • コントラスト調整 モニター画面のコントラスト(黒い部分と白い部分との相対的な明るさの比)を変える機能のこと。

さ行

  • S/N比 信号(シグナル、S)レベルと雑音(ノイズ、N)レベルを表し、単位はdB(デシベル)。この値が高ければノイズが少なく、オリジナルに忠実な再現が可能ということになる。
  • 最低被写体照度 被写体照度の最低限度を表す。この値が低いカメラほど感度が高くなっている。良好な映像を得るためには、カメラの持つ最低照度の2.5倍から3倍の照度が必要。
  • 焦点距離 レンズを透過した平行光線が一点に集まるところを焦点といい、 レンズの中心からその焦点までの距離を焦点距離という。屈折率の高い材質のレンズ、曲率の小さいレンズが焦点距離が短い。 一般に焦点距離が短いほど像の大きさが小さくなり、焦点距離が長いほど像の大きさが大きくなる。
  • 照明フリッカー補正 照明の点灯周波数とカメラの垂直周波数との差により発生する画面のちらつき(フリッカー)を補正する機能のこと。
  • CCD Charge Coupled Devices(電荷結合素子)の略。半導体を用いた揮発性の記憶媒体で、アナログ・デジタル両方の信号を記憶することができる。小型でアクセスが速いなどの利点を持つ。光を電気信号に変える受光部と、その信号を転送する垂直転送レジスター、水平転送レジスターで構成されている。光を電荷に変えて一時的に蓄積し、順次転送して電気信号を出力する。
  • 水平解像度 ディスプレイ上で水平方向に垂直と同じ幅を横にとり、その範囲内に引いた白黒の垂直の線が何本まで見分けられるかというもの。つまり、どの程度細かな線が判別できるかとを表す。主に、テレビやビデオ、DVDなどの性能を示す数値として使われる。現在のテレビ放送では、この水平解像度が350本、VHSは200本、S-VHSは400本、 高画質といわれるDVDになると500本以上の数値となる。フィルムでは、8mmで190本、16mmで430本、35mmで915本。 この水平解像度の値が大きいほど高画質となり、大型画面や動画では特に重要になる。

た行

  • デイナイト機能付きカメラ(デイナイトカメラ) 照明がおちるなど画像が暗くなった際に、自動的に赤外線カットフィルターをOFFにし、赤外線を利用できるようにする機能。 その際、色のゆがみを避けるため、白黒モードに切り替わることがある。この機能によって、より高画質な白黒映像が生成可能になる。
  • デジタルレコーダ 監視カメラの映像(や音声)をハードディスク等のデジタル記録媒体に記録・再生する装置。

は・ま・ら行

  • ハードディスクレコーダー 映像信号をデジタル処理を行い、コンピュータなどで使用されているハードディスクに録画する装置。映像信号をデジタル処理しているため録画した画像をデジタルダビング(複製)した場合、画質の劣化がおこりにくいなどの特徴がある。又、ハードディスクに録画しているため従来のテープに比べて検索が容易、画像が鮮明、テープ交換不要などの特徴がある。
  • 発光ダイオード(LED) 順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子のことである。LED (Light Emitting Diode) とも呼ばれ、発光原理はエレクトロルミネセンス (EL) 効果を利用している。また、寿命も白熱電球に比べてかなり長い。発光色は用いる材料によって異なり、紫外線領域から可視光域、 赤外線領域で発光するものまで製造することができる。
  • バリフォーカルレンズ 焦点距離を変えることができるレンズ。主レンズの前の付加レンズを 動かすことにより連続的に焦点距離を変えられるが、ズームレンズと異なり、 同時に結像面も移動する。可変焦点レンズともいう。
  • PAL(パル)方式 PAL(Phase Alternating Line)は、アナログカラーテレビ放送の規格である。開発した西ドイツ(当時)を中心に、イギリス等の西ヨーロッパ、ASEAN諸国の大部分、中東の大部分、アフリカの一部、ブラジル、オーストラリアなどで採用されている。 走査線毎に色信号の位相を反転しているが、このことで、 ある程度の位相エラーを自動的に補正することができ、結果として正しい色を出すことが出来る (NTSCでは受信機の色合い補正を手動で行う必要がある)。 しかしながら、位相エラーが大きい時には補正が利かなくなり、"Hanover bars"と呼ばれる縞模様を出して破綻した(現在はこれを補正する規格に変更されている)。 PALは通常、1フレームあたり625本の走査線で、1秒当たり25フレームの信号で放送され、 NTSC同様飛び越し走査による表示を行う。各フレームは2つのフィールドで構成され、 各フィールドは1フレームの約半分の走査線で構成される(片方は偶数ラインで、 もう片方は奇数ラインで構成される)。フィールドは伝送され連続して表示される。つまり、1秒あたり50フィールドで表示されることになる。この構造は、フリッカー防止と帯域幅節約との妥協案で生まれた。
  • ホワイトバランス(WB) 色温度が異なる光源状態でも、白色を正確に白く映し出すように補正する機能である。
  • モニタテレビ 監視カメラの写した映像などを見る為の映像用モニタ。
  • ルクス(ルックス) ルクス(lux、略記号lx)とは、照度を表すSI組立単位である。ルーメン/平方メートル に等しい。
    ・太陽光の日平均は 32,000 (32 klx) から 100,000 lux (100 klx)
    ・テレビ放送のスタジオは約 1,000 lux (1 klx)
    ・明るいオフィスは約 400 lux of illumination
    ・月の光は約 1 lux
    ・星の光は約 0.000 05 lux (= 50 μlx)