電磁波の機械への影響について

現在の電子機器は、付近に強い電磁波が有ると誤作動を生じる事が有ります。
多くの方に普及している携帯電話は、その一例で比較的強い電磁波を発している為に航空機や医療機器などに影響を与える報告が
多数されております。

Point1

航空機

航空機に関しては、携帯電話、携帯型ゲーム機などの電磁波の影響による運航計器誤作動が多数報告され、その中には大惨事になりかねない事態を引き起こした例も有りました。その為まず、各航空会社で規制が行われる様になりました。
2004年には改正航空法によって禁止される機器が定められ、2007年3月にも同法は改正され、携帯電話、パソコン、携帯情報端末(タブレット端末など)電磁波を発する状態にある物は常時使用禁止、電波を発しない状態の物でも離着陸時には使用禁止として、携帯音楽プレーヤー、デジタルカメラ、テレビ、ラジオ等も離着陸時使用禁止と定められました。

ゲーム機に関しては、『ニンテンドーDS』や『PlayStation Portable(PSP)』といった無線LAN内臓の製品が存在しており、機内での使用も増えているにもかかわらず、それらが2004年の改正航空法及び航空法施行規則では『離着陸時のみ動作させてはならない電子機器』として指定されていました。しかし、無線LANの電波を常時、発射させていても法律上取り締まれないという危険な状態であった為に各航空会社が規制を行い、その後2007年の改正で解消されました。

2007年3月『航空機内における安全阻害行為等に関する有識者懇談会』の報告書では次のような症状が報告されています。

  • 無線にノイズが発生
  • 衝突防止装置が誤作動して、回避指示が出た
  • 自動操縦で上昇している時に突然横方向に25度傾いた
  • 自動操縦装置で水平飛行中、高度が設定から400ftずれた
  • 着陸時に自動操縦装置の表示が大きくズレて元に戻らなくなった

原因と推測されているうちの携帯電話が6割強と最も多く、次いでパソコンが1割強。
『障害が発生したケースの約9割において、電子機器を使用する者の存在が確認されている』とされ、『障害発生時に電子機器の使用を控えるようアナウンスしたところ、約5割で障害が復旧した』とされる報告がされています。

Point2

医療機器

医療機器に関しては、平成14年の総務省調査では、『携帯電話から11cm離れると医療機器への影響はほぼ認められなくなる。』としており、安全に使用する場合『ペースメーカーから22cm以上離して使用すべき』等の指針を発表しています。

Point3

その他

アメリカ軍は、電磁波を利用した非致死性兵器の研究を行っています。
これは『アクティブ・ディナイアル・システム』と言って米軍が開発中の暴動鎮圧などに用いるための対人兵器システムです。

ミリ波の電磁波を対象物(人間)に向けて照射すると、誘電加熱により、皮膚の表面温度を上昇させることが可能で、この照射を受けた者は火傷を負った様な錯覚に陥ります。実験段階での報告によれば致命的な殺傷能力は無いとされ、対象物から450m離れた場所からの照射でも効力が有り、人道的な兵器としての利用が期待されています。
使用されている周波数は95GHzで電子レンジの2.45GHzより非常に高のが特徴です。