我々探偵社には、『最近、電磁波を浴びせられている様な気がして気分が悪い。対処法を教えてください。』や『家の中での電磁波を測定できないでしょうか?』等と言うように電磁波に関する問い合わせも近年多くなってきています。
電磁波とは一体何なのか?人体に及ぼす影響は有るのか等を説明していきます。

電磁波とは

Point1

電磁波とは、電気が流れる際に発生する『電界』と『磁界』の波のことです。
『電界』とは電気の影響が及ぶ範囲を指し、『磁界』とは磁気の影響が及ぶ範囲を指します。
『電場』と『磁場』がお互いを発生させあうことで、電磁波が生まれます。
電磁波は一般に、周波数『○○Hz(ヘルツ)』という単位で表され、X線・ガンマ線・紫外線・可視光線・赤外線の他に、電波(テレビ・ラジオ・パソコン・携帯電話・電子レンジ・エアコン・ドライヤー・ホットカーペット・ゲーム機・洗濯機など家の中にあるあらゆる家電製品)から発生しています。

Point2

電磁波の人体への影響について

電磁波の中でも極めて周波数が高く、『電波放射線』と呼ばれるX線・ガンマ線・紫外線などは発癌性がある為、法律で年間許容被曝量が定められています。

低周波の影響について

家庭で接することの多いは50Hz・60Hz程度の『非電離放射線』(電磁波)です。
50Hz又は60Hz程度の電磁波は、この観点非電離放射線であるから遺伝子に影響を与えないとも言われています。
国際がん研究機関(IARC)が2001年に行った発がん性評価では、送電線などから発生する低周波磁場には『人に対して発がん性がある可能性が有る』(Possibly carcinogenic to humans)と分類しました。
これは、『コーヒー』や『ガソリンエンジンの排ガス』と同じレベルに当たります。
尚、静的電磁界と超低周波磁界については『人に対して発がん性を分類出来ない』(cannot be classified as to carcinogenicity in humans)と分類されました。これは『カフェイン、水銀、お茶、コレステロール』等と同じレベルに当たります。

世界保健機関(WHO)による2007年時点での公式見解

2007年6月に公表された、世界保健機関(WHO)の公式見解を示すファクトシート322では、短期的影響に関しては『高レベル(100μTよりも遥かに高い)での急性曝露による生物学的影響は確立されており、これは認知されている生物物理学的なメカニズムによって説明されています。』と評価されました。
一方、潜在的な長期的影響に関しては『小児白血病』、『小児白血病以外のその他の健康への悪影響』に分けて評価されており、小児白血病に関しては『全体として、小児白血病に関する証拠は因果関係と見なせるほどに強いものではありません。』と評価され、その他の影響に関しては『ELF磁界曝露とこれら全ての健康影響との関連性を支持する科学的証拠は、小児白血病についての証拠よりもさらに弱い』と結論付けています。
幾つかの実例(すなわち心臓血管系疾患や乳がん)については、『ELF磁界はこれらの疾病を誘発しないということが、証拠によって示唆されています。』と評価されました。

世界保健機関(WHO)による2011年時点での公式見解

2011年5月31日、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、携帯電話の電磁波と発がん性の関連について、限定的ながら『可能性が有る』とする分析結果を発表した。携帯電話を耳に当てて長時間通話を続けると、脳などの癌を発症する危険性が上がる可能性が有るとし、癌を発症する危険性を上げない為の予防策としては、マイク付イヤホンを使用する事を挙げています。
作業部会のジョナサン・サメット委員長は、『神経膠腫(しんけいこうしゅ=グリオーマ=脳のがんの一種)や、耳の聴神経腫瘍になる危険性を高める事を示す限定的な証拠がある』としました。
尚、IARC幹部は、文字のメールを打つ形での携帯電話の使用は、発がん性との関連は無いと説明した。
IRACは、論文を多数検討した上で、『根拠はまだ限定的である。さらなる研究が必要』とも述べております。
asahi.comの記者は『それでもIARCが、この様な決定をしたのは、少しでも健康に害を及ぼす可能性があるものは早めに注意喚起する、という世界保健機関(WHO)の「予防原則」からだ。』と説明しています。

何れにせよ、電磁波を常に浴び続ける生活は、人体に影響が無いとは言えません。
高圧送電線、家電製品、携帯電話などから発する電磁波の人体への悪影響について、まだ正確な結論は出ておらず様々な研究分野において意見が分かれているのが現状です。

この様な状況の中で身体に異常を感じている場合、自分で身を守る事が最善なのです。